先日の「みりん品切れで機会ロス也」のお話しの続き。
香港の卸さんの営業さん、お忙しすぎでしょっ!
というお話。
香港で日本食卸をしている企業というのは、現在どれくらいあるでしょうか。
余りにも多くその全体像というのは自分は把握できていませんが、
少なくとも、Ming-san Kitchenに卸して下さっている卸さんは
皆さん、それぞれ、凄く一生懸命して下さいます。
卸の皆さんって、本当に忙しくされてますよね。そりゃ、そうでしょう。
香港には1000を超す日本食レストランがあると言われ、
卸さんによっては、何百、何千という商品アイテム数を売り歩き、
日本と香港のカレンダーを見比べつつ、
日本各地の市場カレンダーもくまなくチェックし、天気予報はもちろんの事、
香港の場合、飲食店の売り上げ、特に日本料理店のような
高級分野になればなるほど株の動きにリンクしていて、その変動で
レストラン側の仕入れ商品も大きく変化するし、
今のように円高が急速に進めば、マネージメント側が
円高だっ!値上げをするぞ!顧客に伝えろ~と、まくし立てるだろうし。
そしてさ、我々飲食業従事者というのは、ほらっ、ちょっと、
普通のOLさんやオフィスで働くサラリーマンの方とは色が違うといいますかね、
「繊細緻密な戦略で鋭敏な思考と市場の観察云々」というよりも
「思うまま、感じるまま、感情のままに生きてゆく、第六感が勝負也!」
という、基本そんな土台で仕事してゆきますでしょ。
当然、今、怒っていたかと思えば、次の電話では何事のなかったように
「ところで、今年、サンマはどうなのよっ?」
と、お話ししたりするわけで。
そもそも、卸の営業さんと飲食業の現場で働く人々の時間枠というのが異なるわけで、
飲食業の現場では夜10時、11時、仕事が落ち着いたころ、さて、次の仕入れは
と、考えて、忘れないうちにオーダーを流したいところですが、
卸の営業さんといったら、一般企業のサラリーマンですよ、夜11時ですよ、
もう、寝る支度したいよね、大変よ、そりゃ。
キッチン従事者に悪気は全くないのですよ、ただ、普通に仕事して、
ただ、普通に段取りするのだけれど、ちょっと、時間帯が異なるって
それだけの事なのですが、それが、それよ。
そんなこたぁ~、知った事かっ!と夜の夜中でも営業さんに連絡をっ!
というのは今は昔。今はもう、どちらが優位な立場という事はなく、
お互い居なければならない存在だという事を知り、
お互い、それぞれ尊重しつつ(←たぶんね!)それぞれのお仕事を
進めてゆくようになった、そんな風に変わったように思います。
これ、多分ね、香港という土地、利便の良さが
幸か不幸か卸の営業さんがより忙しくなってしまう状況を作ってしまう
そんな気がしますよね。
これがね、アメリカ東海岸です、とか、ヨーロッパの山の中ですとか
どこか遠くの場所であれば「次の日本からの飛行機便は水曜日、船便は35日後」
とか売る方も仕入れる方も、そうした時間枠で動くでしょうから
事情も異なることでございましょう。
あちらは、あちらで、また違ったプレッシャーもありそうですけどね。
香港なんて、アレよ、利便性良過ぎるゆえに
卸さんが「あぁ~、すみません、その商品は欠品です」
なんて言ったもんなら、
「あぁ~?! 欠品だぁ~、なんだそりゃ、お前が今、飛行機にのって
取って来いやぁ~、飛行機、バンバン、飛んでるじゃろがっ!」
と、言われそうなくらいに、フライト、飛んでますからね。
飲食現場で働いた経験のある人であれば「この業界はこんなもの」と
割り切れたりするのでしょうが、これまでの人生、スーツ着て仕事したことしか
ありませんっ!って人が、突然、香港の日本食品卸で営業の仕事しようったって、
はははっ!無理無理無理。
悪い事言わないら止めときなさい、って話。
「日本語だったら自分もできるし、日本の食品の事だもの、それくらい
自分にも出来ちゃうんじゃん?ここは一丁、海外就職!」なんて軽い気持ちで
足を踏み入れてはダメな世界でございますからね。
そんなこんなで、香港の日本食品卸さん、そうした慌ただしい中でのお仕事。
そして、売ってる商品にはもれなく賞味期限という恐ろしい時間設定もあるわけで
こうした状況の中で営業してゆくって、考えただけでも頭の中かクルクルしちゃって
順序立てて整理整頓できる人でなければなかなか務まらない、
そんなお仕事だと思うのです。
卸の皆さん、
今日も、営業、ありがとね!