Ap Lei Chau Days - 香港の日本食小売店運営での日々の出来事。

香港の漁村の小島の街市内で日本食品小売店を展開。前代未聞のこのビジネスを運営する中で見える事、感じる事、日々の出来事をつづります。

香港で新規に飲食業を始めたい方に伝えたいこと

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この時期になると、ご丁寧なリマインダーが届くんですよね。

EAAから。EAA: 地産代理監管局 

不動産ライセンスの更新時期で、はぁ~、これもお安くないわけでございまして、

本業が不動産仲介業でガンガン不動産紹介し、それでガツガツ稼いでるっていうのなら

足取り軽くスキップして更新手続き行っちゃいますけどね、

こちら、大金が動く不動産業とは程遠い、仕入れ値が上った商品の小売価格を

HK$10上げても引き続き販売するか、その商品は止めて他の商品と入れ替えするか、

HK$10単位で頭を悩ましている弱小商店だもの、そのお安くない更新料だってイチイチ

気になっちゃうわけですよ。まぁ、そんな飲食業界外の話はココではいいわ。

 

 

オペレーションスタッフの確保は相当難しい香港

そんなこんなで、今日は香港の飲食店のお話し。

先述の通り、香港不動産ライセンスを所持している為か、時々思い出したように

日本の方から飲食店居ぬき物件に関する問い合わせが入る。

ライセンスは持っているものの、今は仲介業自体はしていない旨お伝えし、

それでもお互い関連業界という事で、一般的な香港の飲食業界話になる事も

あるわけですね。

そうしたお話しをする度に感じるのが、これから香港で飲食店をやろうと

している方々の現状認識と実際の現状のズレ。

家賃の高い香港、確かに家賃を払っていくこと自体も、

場所取り自体も大変なのだけれど、それと同時に、いやそれ以上に

大変なのが、オペレーションスタッフの確保というのが、私個人の

認識ではありますが、日本から新規でみえる方は、その部分、あまり

重要視されていないように感じるかな。

 

 

これは前々から感じていて、皆さん何故同じようなズレがあるのだろうと

不思議に思ってはいたのだけれど、最近、思ったことがある。

 

 

もしかしたら、

間に入っているであろう飲食コンサルの方の情報が

香港の現状とリンクできていないのでは??

 「お皿洗いスタッフはだいたいHK$8,000-HK$9,000、HK$10,000も出せば

お皿洗いしたいおばちゃんとか、いっぱいいますからっ!!」

とか、言っちゃってる飲食コンサルさんでもいらっしゃるんじゃないかしら?と

疑いたくなるくらいに、日本から新規でやってこられる方の認識が現状と

ズレまくりで、不思議なくらい。

そういう時代は10年ー15年ほど前に既に終わっていて、今は、

お皿洗いのスタッフに限らず、

香港での飲食業はオペレーションスタッフの確保、

本当に難しいです。

料理人確保や、気の利いたサービスができるスタッフ確保も常に頭の痛い

香港だけど、この数年、飲食業界の悩みの種はお皿洗い担当スタッフ不足と

人件費高騰。この状況は特に4,5年前から顕著で、では、今、巷では

どうなっているかというと、お皿洗いスタッフ確保に悩んでいた飲食業の方が

皿洗いに悩んでるいるのはウチだけではなかろうと、お皿洗いの

アウトソーシング会社を立ち上げて、そちらのビジネス拡大中。

そういう状況ではあるのですが、オペレーションスタッフ確保の、その部分を、

簡単に「HK$10,000」も出せばいくらでもいますからっ!!

とか、かるぅ~く言っちゃう飲食コンサルさんであれば、現状把握が

間に合っていない可能性が大いにあると思うので、別のルートから

アップデートな情報を仕入てみるという事も必要かもしれません。

 

 

香港で長く人材紹介ビジネスに携わる友人も、飲食業界の方は

「えっ??そんなに人件費かかるんですかっ?」と、驚かれる事が度々ある

という事を言っていたので、日本での初めの一歩の情報がどこか旧情報のまま

アップデートできていないのだろうと、想像します。

 

 

そうそう、人材確保という観点からは、当然、競合となる飲食店の給料体形を

調べるだろうけれども、もう1つ意識するべきところがホテルの飲食部。

香港のホテルは、一般の飲食店舗に比べ福利厚生が圧倒的に整備せれているし、

ボーナスもホテルの業績に合わせて出るし、昇級の機会も設けてるしで、

飲食業従事者はどうしてもホテルの飲食部に流れやすい傾向にある。

飲食店舗勤務といえば以前は2食付きというのが普通だった業界が

その毎日の食事すら会社からの提供がなくなった、その代わりに

食事手当1日につきHK$40支給しますとか、

ボーナス無しどころか、ダブルペイもあるんだか無いんだか、

一般店舗がそういう方向に向かっているとしたら、なかなかホテルから

人材を戻すのは難しい事かもしれません。

 

 

 

それでも投資したい人は沢山いる香港

香港は、今、世界一家賃の高い都市の1つというのは多くの方がご存じだと思うし、

なんでも値上がり、コスト高となり、ひと昔前のように

個人単位でビジネスができて、稼げる場所という土地ではなくなった。

でもその「個人単位」といのは誰かというと、まさにワタクシのような

超普通の人々であって、ブゥーブゥー、ブゥーブゥー香港政府に対し

文句を言いつつ、ヒィーヒィー、ヒィーヒィー毎日それでも生きているわけですね。

では、その香港。

香港から「投資をしたいお金」自体がなくなったのか?というとそうでも無くて、

今も昔も変わらず、行き場をなくしてウズウズしているお金というのは

山のようにある都市というのに変わりはないように思う。

ひと昔前までは、不動産に振り分けができていたお金も、ここまで高騰してしまえば、

不動産にそうそう手を出せるものでもなくなり(←高くて手が出ないという事では

なく、効率よく利益がだせなくなったという意味ですね)ウズウズしているお金と

いうのは、実は、以前より多いのかも。

実際のところ、この一般庶民のワタクシの周辺ですら、

お互いいつもはあまり会えないけれど、久しぶりに会うと

「どうよぉ?九龍サイドにもう一軒?お金はあるぜよっ!!」とか

「自分は床屋をやってみる予定」とか

「眼鏡屋がいいかなぁ~、眼鏡屋が」とか

「広州でチャーチャー店しようと思って、ビル買った、ビル、ちょっと

キッチンの様子、見に来てよっ!!」とか

ハチャメチャな事を言っていますのでね、

お金持ちの世界はお金持ちの世界で、まだまだ、行き場を探しているお金って

山のようにあると思うし、香港の税制やビジネス制度が現状を保っている限り

これからだって入ってくると思う。

そして、今は、周辺で探さなくとも、様々な資金集めの方法が確立されています。

 

 

この店で躍起になって利益出す必要はないからさっ!

そう囁きながら言い寄って来る人がたくさんいるんですよ、香港には。

そのカラクリはおわかりになる方はなるだろうし、

ならない方はならないだろうし、その辺りはどちらでもいいのですが、

その囁きに導きられるようにしてお店を開店する人も、

沢山、いるんですよ、香港には。

開店した結果、繁盛店になる店もあるし、そうならない店もあるし。

店名かえつつ、ブランド変えつつ、長く営業していく人たちもいるし。

開店する、その事自体は、それはそれでいいと思うの。

でもね「躍起になってこの店で利益出す必要はないからさっ!」という

その言葉に甘えて、本当にのんびり過ごしていると、何と言いますか、

単純に、投資する人も、働いている人も、結局、つまらなくなる。

そう思うんだ。

 

 

 一度は海外で挑戦したいと思っている料理人の皆さん

香港は、日本と変わらない食材が、場合によっては日本国内より

素早く手に入るし、料理店の数も、卸さんの数も、他の外国と比べ物に

ならないくらいに整っていると思うし、生活自体も

お金さえ出せば日本と変わらない生活ができるし、なかなかいい所。

なかなか良いところだとは思いますが、ストレスもたまりやすい場所でも

あると思います。その要因は色々あって、ここではバッサリ端折りますが、

飲食業って、ホラ、いくら自分に腕があっても、一人ではできませんでしょ。

日本では、一人で運営しているお店も多くありますが、

日本から新規で香港にふらっと来て、一人で出来るかと言ったら

出来ないんですね、ルール的に。そういう労働許可は出ないんですね、残念ながら。

だから、どうしてもチームが必要になるんですが、

そこで、また、オペレーションスタッフの問題に戻るわけですね。

 

 

思いのほか長くなりましたが、ワタクシの、この偏見に満ち溢れた

チョー個人的見解を短く3行にまとめると

1.香港での飲食業、簡単ではない。

2.簡単ではないけれど、お金を出したい人は、それなりにいる、焦るでない。

3.正しい現状認識と、オペレーションスタッフ確保は大切よっ!

と、いう、そんな感じですかね。

また、気が向いたら、こんな感じの飲食業界情報、書いてみようかな。

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