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この記事は2017年11月6日、香港で生活していた頃に投稿したものです。香港の超ローカルな地元マーケットの一角で、のんびりと日本食品店を運営しながら香港の人々の日常をまったり眺めながらのつぶやきです。
最近の心配事、関心ごと。
表題通り、そのまんま。
昭和生まれの私たち。そんな私たちの孫世代が大人になった時、日本に住む彼らは魚を食べることが出来るだろうか。
店舗の近くにいくつか幼稚園や小学校があって朝と夕方は、子供たちがよく駆け回っている。そんな香港の子供たちを見て、時々ふと思う。
今、日本で暮らす子どもたちが、40代、50代という年齢になった時、彼らは気軽に魚を食べることができるだろうか。その頃には日本の食卓に、日常的に魚がのぼることは、もしかしたら難しくなっているのではないだろうか。
自分は水産業でも、魚やさんでも、海洋研究者でもなくて専門的な知識というのは全く持ち合わせてはいないし、時々自分が押しつぶされそうになるその心配事は願わくば素人女のお門違いな思い過ごしで専門家からみたら頓珍漢極まりなく
「ぶはっ!!姉さん、何言ってますの?そんな心配、不要、不要っ!!」
ってな状況ならば、それはそれは万々歳でいいのだけれどちょっと、備忘録として書いておこうかな。
日本で暮らしていると、おそらく、少子化問題、地方からの人口流出、食品ロス問題、人口はどんどん減り続け……そうした問題に直面していて、きっと多くの日本語媒体でも世の中は有り余る食品で溢れていて、毎日毎日、まだ食べることが出来る食品が捨てられているという、そうした角度からの問題提起が多いのかな。
きっと、それは確かにそう。
それはそれで真剣に考える必要がある部分だと思う。
それと同時に、でもそれとはまた別の角度の問題になると思うのだけど最近のワタクシの心配ごとは魚よね。
「少子化、少子化、人口が減って大変なことになるぞっ!!」と、いう問題に直面している日本から一歩外に出てみると世界は爆発的に人口が増えていて、大変な時代を迎えている。
それに加えて、アメリカさまや、その他多くの国々で肉食傾向だった人々が魚介食傾向に移行しているらしい。事業という部分をみても、日本では衰退傾向にある水産業も世界では上り調子の業種で、国によっては畜産業からエビ養殖業をはじめ水産養殖業にビジネスを変更する企業も少なくない、という記事をかつて何かで読んだ。
香港にいると、そうした世界の動向や世界のビジネストレンドなど、比較的そういうニュースを見聞きする機会が多くて、そういう、世界の動きを見ていると、世界中の人々の食が今「肉類より魚介類、水産物」という風に向いていてこぞって水産物を購入しているのだけれど。
日本自体は、どんどんどんどん、魚から遠ざかり消費する人も購入する人もビジネスをする人も少なくなっているわけだから
日本は購買力を失って、
近い将来、世界のバイヤーに蹴落とされ、
日本は他所の国から魚を買えなくなるのではないか
そんな事が頭をよぎる。
そんな心配はいらないのだよ、という事ならそれはそれでいいのだけれど、やっぱり心配。
香港で暮らしていて日々思うのは、以前地元系スーパーには多くなかった鯖フィレや冷凍さんまの商品量が爆発的に増えていること。
タラフィレや、サーモンフィレの冷凍パックは決してお安い商品ではないけれど、それでも品物が増えている。
海に囲まれ、もともと魚が豊富なこの狭い香港でさえ目に見えるその変化。
世の中はたぶん「水産物」を競って手に入れる方向に向かっていると思うんだ。
日本はね、海に囲まれて魚が身近にあって、あまりにも身近にあるから、魚があるのが当たり前で「魚が手に入らないかもしれない」という図はイメージしづらいかな。
もしかしたら、既に日本の食生活は随分変わっていて魚なんて普段からあまり食べてないから、スーパーから魚がなくなっても別に影響なし!という人々もいるかもしれないし。そう考えると、それはそれで、日本は日本なりにバランスが取れているのかもしれない。
でもね、何と言うんだろう。いつも思うけど、単純に、魚って美味しいのよね。
単純に、純粋に美味しいものは
あぁ~、孫にも食べさせたいな~
と思うじゃない。
国際貿易とか、養殖技術向上を急げとか、その辺の小難しい事はワタクシにはわかりませんが、孫世代に美味しい魚を気軽に食べてもらえる状況を作るために、昭和生まれの私たちが個人単位で今、簡単に確実にできる事って
魚を買って、魚を食べる
そういう単純なことだと思う。
とにかく、魚を買って、魚を食べて、魚を消費して、水産業にお金落として、水産業を活発化させて世界に負けない競争力をつける、必要なのはそういう、シンプルなサイクルだと思うんだ。
でもね、それが中々難しいのよね。
魚ってね、金銭的なゆとりはもちろん、それ以上に、精神的なゆとりとか、時間的なゆとりがないと向き合うのが難しい食材だからね。
スターバックスの珈琲、皆さん、好きですか?
日常的に飲みますか?
(注釈っ!!:ワタクシ、スタバ賛成派でもなければ反対派でもありません。スターバックスに恨みつらみがあるわけもゴザイマセン。でも、ほら、やっぱり例えに上げるならわかりやすいと思うのですよ)
その味や、ブランドイメージ、空間や何かしらに感化され、習慣的にスターバックスの珈琲を購入している人も少なくないでしょう。
もしかしたら「ぶっちゃけ味の差は良くわかんないけど、もちろん、取りあえず、スタバでしょ、インスタ映えするし、いろいろかくかくしかじか、それなりにカッコよく見えるし、ここの珈琲だったら、リア充アピールできそうじゃん」くらいな、特に理由はないけど「とりあえずスタバ行っとけ派」という方々もいらっしゃるかもしれません。
家の近所にスタバはないけど、東京に出てきたらスタバがあったから行ってみたよ!!!というタイプの方は別として、(むしろ、こういう方はスタバ思いっきり楽しんでくださいましね!)
日常的にスタバで珈琲買っていらっしゃる方ね、毎日でなくていいから、
「そういえば暫く自分で魚って買ってなかったよな」と思い当たる方は、お魚を見かけたら是非ともね、今日は珈琲ではなく、アジの干物1枚とか、甘鮭切り身1切れとか、ちょこっと買ってですね、たまにはしっぽり、熱燗とお魚なんかを楽しんでいただけたら、それが、孫の世代の魚の食事に繋がる、そう思うのですね。
魚ってね、贅沢だよね。
スタバの珈琲は5分で感じる事ができる贅沢かもしれないけれど
先ほどもちょっと触れたけど、魚って、時間と精神的なゆとりがないと向き合うことが難しい。魚の価格は安くないし、手間かかるし、魚臭いし、買ってから5分で食べる事できないし、時間かけて料理したはいいけど、そのお姿、特にお若い方にとっては、地味よね、地味っ!インスタ映えするスタバ空間とは正直正反対の存在よね。
でもね、美味しいよ。
魚のある食卓って孫に残したいものの1つだと思うよ。
そうは言っても、ワタクシ、孫はいないんですけどね。
魚のある食卓をこれから先も残して行く方法というのは、ワタクシのこのチッポケナ脳みそをたたいたところでこんなことしか思い浮かばないのだけれど、魚をもっと手軽に、気軽に日本の食卓に戻す方法、何か、こう、ないですかね。
今日は、ガッツリお魚ラバーのようなふりをしたワタクシですが、そうはいってもお肉も好きよ。魚もお肉もお野菜も、何でも好き。壊滅的に料理作りがへたくそなワタクシだもの、誰かが作ってくれるともっと好き!
そんなこんなで、毎日のお食事。やれ健康だっ!やれ老化防止だっ!やれ痛風予防だっ!やはり食事は魚だろ!何を言う、肉が無ければ力が出ないっ!有機食材っ!絶対国産っ!とどのつまりはベジタリアンだろっ!と、カチカチに考えることなく、
肉も良し、魚も良し、
皆さまも、食事は気軽に楽しくね!